吉祥寺パーソナルジム 見直しておきたい筋トレのやり方(1)ベンチプレス

2018/03/05
見直しておきたい筋トレのやり方(1)ベンチプレス

胸周りの筋肉を鍛えるトレーニングとして、王道であるベンチプレス。

昨今、下半身トレーニングばかりに注目が集まっていますが、厚い胸板やきれいなデコルテラインを作るトレーニングとしてこのベンチプレスは欠かせません。

さて、このベンチプレス、ベンチに寝そべってただただバーベルやダンベルを持ち挙げる動作のように見えますが、正しく行わなければ、なかなか大胸筋には効いてきません。

そこで、いくつか見直しておきたいポイントについてまとめておこうと思います。

・二つのアーチを作る
・力んでしまうならサムレスグリップ
・上腕はハの字
・持ち手幅は肩幅よりやや広め
・肩甲骨は開かないように



【1】二つのアーチを作る
まず、ベンチに寝そべって最初にとる姿勢ですが、二つのアーチを作ります。

一つは、肩甲骨を寄せて作る「横のアーチ」
背中の肩甲骨と肩甲骨を寄せて、大きく胸を反らせます。
この肩甲骨同士の寄せが甘いと大胸筋がストレッチされず、結果として可動域を確保できないために大胸筋への効きが悪くなります。

そして二つ目は、一つ目のアーチを作ると自然と腰が反らされてできてくる「縦のアーチ」
こちらは背中を大きく反らせて、腰の後ろにこぶしが入るほどの大きな空間を作ります。
できる限りこのアーチは高く作るために、思いっきり背筋も使いながら背骨を反らせブリッジしましょう。
この際、お尻はあまり浮かせないほうがよいでしょう。お尻を浮かせると挙上した重量が主に首の後ろにかかり、頸椎を痛める恐れがあります。
(パワーリフティングのルールでも「腰は浮かせない」とありますし、自身の正しい挙上重量を知るためにも、出力が不安定な尻上げブリッジは避けておいてよいと思います。)

縦のアーチがしっかりとできていると、腹筋と背筋に力を入れやすく、体幹が安定し、対象筋に集中しやすくなるでしょう。

【2】力んでしまうならサムレスグリップ
初心者のうちは、バーベルを握るように持つ「サムアラウンドグリップ」が危険も少なくオススメですが、重量が増えてくると、前腕に力みの出てくるかたがおられます。

そのような場合は、バーベルを握らずに親指を人差し指に添える持ち方「サムレスグリップ」を試してみましょう。
ちょうど掌の親指の付け根あたりにバーベルを持つような形になります。
また、掌は人差し指を若干内側に傾けて「ハ」の字にすると、掌の上でバーベルが安定します。
力みがあると、対象となる筋肉への意識が散漫になり、こちらも努力の割に効果が薄くなってしまいます。

【3】上腕はハの字
さらに、同じ「ハ」の字でも、上腕のハの字はとても大切です。
バーベルを下ろす際に、脇を閉めるでもなく、開けるでもない。ちょうど「ハ」の字にしていきます。
正面から見た時に、左右のヒジとバストトップが一直線上にのるような位置が望ましいです。
そして、常に手首はヒジの真上に来るようにしておきましょう。サムレスで練習すれば、ヒジの真上に重心をもって来る感覚はすぐにつかめるようになるでしょう。
上腕ハの字。この位置で下ろすことができれば、当然、バーベルもバストトップ上に降りていきます。
この位置は大胸筋もストレッチされ、かつ肩関節への依存度が小さいため、大胸筋に集中することができます。

【4】持ち手幅は肩幅よりやや広め
「ヒジの真上に重りを乗せる」ためには、持ち手の幅も重要になってきます。
具体的には、先ほど紹介した「ハ」の字姿勢。
この姿勢の時の手首の幅が、バーベルを持つ理想の持ち手幅
となります。
持ち手幅は、広すぎれば大胸筋のストレッチが効かず、また狭すぎれば上腕三頭筋の関与が大きくなり、腕トレになってしまいます。

【5】肩甲骨は開かないように
最後に挙上動作中の問題です。
最初に作った二つのアーチが、挙上を繰り返すうちにつぶれてしまう、というものです。
特に気を付けたいのが、「肩甲骨が開き、横のアーチがつぶれてしまうこと」
横のアーチがつぶれると、大胸筋のテンションが抜け、腕や肩ばかりに負担がかかってしまいます。

回数をこなすうちに大胸筋の力がなくなり、肩や腕など他の筋肉に頼ろうとしてしまうことが要因だと思われます。
疲労してきたときこそ、さらに効かせてあげたいところですが、疲労しているがゆえに本人は気づいていないことも多々あります。
この場合は第三者についてもらうなどし、肩甲骨が開いてきたら注意を得るなどするとよいでしょう。


取り急ぎよく指導で出てくるポイントを並べてみました。
正しいフォームで鍛えることができれば、思ったよりも小さい重量で筋肉の形を変えていくことができます。
よっぽどのことがない限り、「●kg挙げられるようになった」よりも「胸板が厚くなったorバストアップできた」のほうが実益は多いです。重りにこだわらず、効いているかどうかにこだわりましょう。